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乱れ雲

 

10月30日(日)〜11月3日(木)

 


*1作品500円均一 予告上映なし

 

監督:成瀬巳喜男
出演:加山雄三/司葉子/森光子/浜美枝/ほか
[1967年製作/日本/1時間48分/35mm]

 

事故とはいえ車で人をひき殺した青年商社マン、その事故のせいで突然エリート役人の夫を失った女。この二人の微妙に揺れ動く心理を、成瀬巳喜男監督は淡々としたカットを積み重ねることで的確に描き出していく。普通ならば交わることのない二人の関係を、『憎いあンちくしょう』(1962)などで知られる山田信夫の緻密な脚本を得て、成瀬監督はそれぞれの心の葛藤にまでメスを入れた、内面のドラマへと昇華させていった。そこに横溢しているのは、あっという間に崩れていく人間の生のはかなさであり、死の匂いである。東京から青森に舞台が移り、当初の深い憎しみが徐々に愛情に変わりはじめ、自らの理性と感情の相克に悩むという、難しい役柄を司葉子が好演し、彼女の代表作となった。映画がまだサイレントであった1930年に監督デビューし、その後87本もの作品を世に送った巨匠成瀬監督の遺作にふさわしい秀作である。


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